クラウドファンディング Kickstarterとは何か?(12)
Kickstarterでは、プロジェクトの成功とは、プレッジの申込の合計金額があらかじめ設定した目標額に達することです。しかし、本当の意味でプロジェクトが成功するためには、それ以外にも考慮しなければならない重要な要因があります。ひとつはプロジェクトの収支であり、もうひとつはリワードの実行です。
プロジェクトの収支
Kickstarterはオールオアナッシング方式を採用しているので、目標金額に達しなければ、プロジェクトは不成立となってお金が一銭も入ってきません。そこで、何が何でも成功させたい場合、目標金額を控えめに設定したり、プレッジの金額に比してお得感のある魅力的なリワードを提供したい誘惑に駆られるものです。キャンペーンが支持されさえすれば沢山のプレッジが集まるので、控えめに目標を設定しておいてもリスクは大きくないように思われるかもしれませんが、もし目標金額ぎりぎりで成立してしまった場合に、固定費が大きいプロジェクトだと赤字になってしまうかもしれないし、無理なリワードを設定して原価割れを起こしてしまったら、プレッジが集まれば集まるほど赤字が膨らむ結果にもなりかねません。Kickstarterでプロジェクトを企画する上では、実はこのような財務的な検討や判断も重要なのですが、慣れていないクリエイターはこのあたりへの配慮がゆきとどかず、深く考えずにキャンペーンを開始してしまってあとで思わぬ負担を強いられるリスクがあります。
リワードの実行
めでたくプロジェクトが成功し、予定していた以上の資金を手にできることが確定したまさにその喜びの日が地獄の日々の始まりであるかもしれません。お金を手にしたクリエイターはプロジェクトを実現し、リワードを実行しなければなりません。これが映画のエンドロールやウェブサイトに名前を載せるとか、メールでデジタルコンテンツやウェブへのリンクを一斉送信するといったことであればよいのですが、モノの製作を伴う場合は実際に生産し、パッキングして発送しなければなりません。もともと百個分くらい集まればいいやと思っていたところに、大成功で1万個作らないとしたら?海外からの注文が多いのに送料を見込んでいなかったら?生産を委託するはずだった業者からはそんな数は受けられないというし、支援者からはまだかまだかのクレームが殺到。クレーム対応や高額プレッジ支援者に対するイベントの出張にばかり手を取られて本来のプロジェクトの進行にますます手が回らなくなる...こんなことならいっそプロジェクトが失敗してくれた方がよかったと後悔するくらいの事態にもなりかねません。
こうした事態を避ける上でも、リワードの種類によっては上限を設けるとか、海外への送料を上乗せする等、事前に綿密な企画が必要なことです。ハードルが低いからといって、十分な計画なしにスタートしてしまうと思わぬ重荷を背負うことにもなりかねません。(つづく)
2014/11/06| 11:22 PM| カテゴリー:起業
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