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クラウドファンディング Kickstarterとは何か?(15/完)

前回まででKickstarterの説明は、終わりです。

最後に類似のクラウドファンデングの例として、”Indiegogo”(インディーゴーゴー)を簡単に紹介し、Kickstarterと比較してみます。
”Indiegogo”は2008年の創立ですので、Kickstarterに比べると後発です。
仕組等はKickstarterとだいたい同じで、参考図書(Don Steinberg 2012 “The Kickstarter Handbook, Don Steinberg”, Quick Books)によると、Kickstarterのクローンとよばれることすらあるのだとか。

とはいえ後発らしく、随所で差別化を図っています。
まず、これは本質的なことではありませんが、
(Kickstarter)          (Indiegogo)
Project   プロジェクト ⇒  Campaign キャンペーン
Creator クリエイター  ⇒ Campaign Owner キャンペーンオーナー
Backer   支援者    ⇒  Contributor 貢献者
Pledge   プレッジ   ⇒  Contribution 貢献
Reward   リワード    ⇒ Perk 特典
といちいち異なる用語を使っています。

Kickstarterとの大きな違いのひとつとしてあげられるのは、まず、カテゴリーの多さです。Kickstarterでは、現在15のカテゴリーがあり、大部分は芸術に関連するものです。これに対して現在24のカテゴリーがあります。Kickstarterのカテゴリーは網羅されているほか、スポーツや動物、政治、宗教、コミュニティといったものまであります。ビジネス関連ではテクノロジーやゲームの他にスモールビジネスというカテゴリーがありますので、幅広い業種の起業家によって利用がしやすくなっているようです。

もうひとつの大きな特色は、Kickstarterと同じオールオアナッシング方式に加えて、Flexible(フレキシブル)すなわち目標額に達しなくても集まっただけのお金を入手できるもタイプを選択することも可能です。

Kickstarterは、創立者のバックグランドや創業の経緯からか概してクリエイティブな活動に対する強いこだわりが感じられる一方で、Indiegogoの方はもっと柔軟に、より多様な目的を持つ人々にとっての使い勝手の良さを追求することで差別化を図っている印象です。


 

クラウドファンディングの登場により、何かを成し遂げたいと思っている個人、グループ、小さな企業が資金を集め、夢や目標を実現する新しい手段がもたらされました。これによって簡単にお金が集められるわけではありませんが、かつてはとうていなし得なかったであろうことが可能になったのは事実です。それだけではなく、クラウドファンディングを支えているのは、創造に対する人間の欲求や相互扶助・相互信頼の精神であり、こうしたポジティブなエネルギーは社会に大きな活力を与えるものではないのでしょうか。ビジネスの中でも、エクイティ型をはじめとして、資金調達やプロモーションなどの有効なツールとしてますます進化してことゆくでしょう。

良いことばかりではありません。ネット社会の中で信頼・自律の上に成り立っている以上、詐欺的行為や悪意がなくともプロジェクト遂行能力や意欲・責任感の欠如したクリエイターによって支援者が損害を被ることは避けられないでしょう。そういった問題は現に報道されていますし、クラウドファンディングに詳しい人から聞いた話では、遅延など問題含みのプロジェクトは相当数あって、大手のKickstarterはまだしも、他のクラウドファンディングの中には結構「やばい」ものもあるということのようです。今後のクラウドファンディングが発展の過程の中では、そういった負の側面が噴出す規制の強化に向かう局面もあるかもしれません。それはそれである程度はやむを得ないことですが、過度な規制の強化によって本来の自由な創造的精神が害されることなく、健全な発展を遂げてほしいと願う次第です。(完)

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